2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

光の回折1:スリット幅と光の広がりやすさ《素元波》

Point ・光がスリットを通過したとき、スリットの幅が小さいほど光は広がりやすい ・光の広がりやすさは素元波の干渉で説明できる 今回の記事では、光が障害物の裏側に回り込む現象である「回折」について紹介していく。光の回折を説明するための分かりやす…

光が屈折する理由を車を使って説明する《光の屈折》

Point ・光の屈折は車の喩えを使って直観的に説明できる ・光が屈折する理由は物質によって光の速度が異なるため 空気から水に向かって光が侵入すると、光が屈折するのは日常目にする光景である。しかし、その理由を説明しようと思うとするとなかなか難しい…

ブリュースター角で光の反射を消す

Point ・ブリュースター角とは、p偏光の反射率がゼロになる入射角 ・反射光と透過光のなす角が90度となる ・双極子の振動方向に光が発生しないことから説明できる ブリュースター角とは 以下に示した図は、以前の記事で紹介した入射角に対するp偏光とs偏光の…

フレネル係数で遊ぶ3:複素屈折率への拡張

Point ・反射率は、屈折率の差と消衰係数の差がどちらも大きいほど上がる ・消衰係数を考慮すると位相変化が0°および180°以外の値にもなりうる 「フレネル係数で遊ぶ2」までは、屈折率を実数と仮定して話を進めてきた。しかし、屈折率の虚部にあたる消衰係…

フレネル係数で遊ぶ2:ななめ入射での反射率と透過率

Point ななめ入射での反射率と透過率は入射角に依存する。 また、s偏光かp偏光かによっても異なるふるまいを示す。 前回の記事では、垂直入射におけるフレネル係数について解説した。今回は、光がななめに入射した場合の反射と屈折について深掘りしていく。…

フレネル係数で遊ぶ1:垂直入射を中心に

Point 入射光の電場にフレネル係数を掛けると、 反射光の電場および透過光の電場に変換できる。 今回はいよいよ光学の分野で最も重要な式の1つであるフレネル係数について見ていく。 フレネル係数の応用範囲はかなり広いため、これを理解するだけで光への理…