p偏光とs偏光の違い

Point

 ・p偏光は、入射面に対して平行な偏光
 ・s偏光は、入射面に対して垂直な偏光  

光の反射率や透過率は、光の偏光方向(p偏光とs偏光)によって変わってくる。ただ、どっちがp偏光でどっちがs偏光が忘れてしまうことがよくあるので、この記事では、これらの偏光の違いを図を使って説明していく。


p偏光とs偏光とは

p偏光とs偏光の違いを知るには、図1を見るのが手っ取り早い。見ての通り、赤い矢印がp偏光、青い矢印がs偏光である。

黒矢印は光を表し、灰色で示した界面(物質の境界)で反射している。水色で示した平面は入射面と呼ばれ、入射光と反射光の両方を含んだ面を表す。左図は、二次元的に真横から見ており、右図は、三次元的に斜めから見ている。

図1:p偏光とs偏光
(左は入射面を真正面から見た図。右は斜め上から見た図。)


p偏光とs偏光の定義だが、
赤色で示したp偏光は、「入射面に対して平行に振動する偏光」と定義される。 一方、青色で示したs偏光は、「入射面に対して垂直に振動する偏光」と定義される。語源としては、pは"parallel"の頭文字、sはドイツ語で垂直を表す"senkrecht"から来ているようだ。とりあえず、p偏光の語源だけ知っておけば、どっちがどっちか覚えやすいかもしれない。


光が反射する界面は、壁に貼りついた鏡のように垂直に立っている場合が多い。そのような場合についても図2に図示しておこう。単純に図1の見方を変えただけである。

図2:垂直な界面で反射するp偏光とs偏光


p偏光とs偏光をわざわざ区別する理由としては、数式上の取り扱いが若干異なるからである。それに伴って、それぞれの反射や透過の性質が異なってくる。例えば、s偏光の反射率はp偏光の反射率よりも必ず大きくなることが知られている。また、p偏光にだけ反射率がゼロになるブリュースター角と呼ばれる入射角が存在する。これらの詳細については、以下の記事で解説している。

casual-science-pedia.hatenablog.com


ちなみに、p偏光とs偏光が定義できるのは、図1や図2のように光が界面に対して斜めに入射した場合だけである。光が界面に対して垂直に入射した場合(垂直入射)では、p偏光とs偏光は区別がつかなくなるため、これらの用語は用いられない。